マキアカマルカイガラムシの生活史に関する研究

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  • 植松 秀男
    九州大学農学部生物的防除研究施設天敵増殖学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Bionomics of Aonidiella taxus Leonardi (Homoptera : Diaspididae)
  • マキアカマルカイガラムシ ノ セイカツシ ニカンスルケンキュウ

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抄録

室内及び野外における調査ならびに実験によりマキアカマルカイガラムシの生活史を調べた.結果の概略は次のようであつた.1.マキアカマルカイガラムシは卵胎生で,雌は1・2令仔虫期を経て成虫になり,雄は1・2令仔虫期の後さらに前蝋,蛹期を経て有翅の成虫となる.25℃の条件下で雌は1令定着後43日目から産仔活動を始める.1令定着後雄が成虫として羽化するまでに要する発育期間は約26日である.2.雌介殻,及び1令の雄介殻はほぼ円形で,その成長は各ステージの初期の数日に限られており,最終的な雌成虫の介殻の大きさは直径約2.5mmに達する.雄の介殻は2令仔虫期に長楕円形となるため,2令の中期には介殻の形状で雌雄の判別が可能となる.3.本種の発育零点は雌で14.8℃,雄で14.7℃である.また雌の定着から産仔開始までに要する有効積算温量は447日度,雄の成虫羽化までのそれは278日度である.4.雌は日当たり2~6頭のほふく仔虫を約70日間にわたつて産仔し,1雌の平均総産仔数は158頭である.本種の純繁殖率(R_0),世代の平均時間(T),内的自然増加率(r)はそれぞれ59,66日,0.04/雌/日であつた.5.本種は宮崎では年2~3世代,福岡では2世代を経過する.

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