高分子薬剤による紙力の増強機構に関する研究(第5報) : N-クロル化アニオン性ポリアクリルアミドの紙力増強効果

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タイトル別名
  • Study on the Mechanisms of Improvements of Paper Strength by Polymer Additives(V) : Effects of N-chloro-anionic-polyacrylamide on Improvement of Paper Strength
  • コウブンシ ヤクザイ ニヨル シリョク ノ ゾウキョウ キコウ ニカンスルケン

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抄録

N-クロロアニオン性ポリアクルアミド(N-Cl-A-PAM)はアニオン性ポリアクリルアミド(A-PAM)とNaOClの反応により調製され, 紙力増強剤として応用された. 賛成抄紙条件下でカルボキシル基の含有率10モル%のN-Cl-A-PAMを対パルプ0.5%添加すると, 乾燥引張り強さはブランクの1.37倍に, 湿潤引張り強さは12.5倍になった. N-Cl-A-PAMのカルボキシル基の含有率は紙力向上効果に大きな影響を与えた. 酸性抄紙では, カルボキシル基の含有率が10モル%のN-Cl-A-PAMで紙力増強効果は極大に達したが, 微アルカリ性には5モル%のN-Cl-A-PAMで極大値を示した. N-Cl-A-PAMの紙力増強効果は酸性抄紙に於けるN-Cl基とCell-OHとのエステル結合の生成, 弱アルカリ性ではポリマー自身の架橋反応に帰因する. また, カルボキシル基の含有率の増大につれ, N-Cl-A-PAMによる湿潤紙力向上効果が低下することが分かった. これは-COOH基の隣接基関与により生じたN-Cl基の反応性は孤立したN-Cl基のそれより低いためである. このN-Cl基の効果の低下は弱アルカリ性で著しかった.

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