中世後期南ネーデルラントの商業組織に関する考察 : ロンドンのフランドル=ハンザを中心に

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タイトル別名
  • Quelques Considérations sur la Hanse flamande de Londre au Moyen Age : Théories prospectives et Réalités rétrospectives
  • チュウセイ コウキ ミナミネーデルラント ノ ショウギョウ ソシキ ニ カンスル コウサツ : ロンドン ノ フランドル=ハンザ オ チュウシン ニ

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抄録

本稿は、西欧中世における商業組織のあり方を(Wyffels, 1990, p.184)、南ネーデルラント地方のハンザ、とりわけロンドンのフランドル=ハンザLa Hanse flamande de Londres(以下、フランドル=ハンザと略称)と呼ばれる組織を主な対象として検討しようとするものである。フランドル=ハンザを選択する主な理由は、第1に、それが西欧でも最初期に形成された商業組織の1つであること(Van Werveke, 1953a, p.60)、第2に、ドイツ=ハンザDie Deutsche Hanseと同様、個別の都市商人ではなく複数都市の商人たちから成る組織であったこと、である。グライフたちの考究対象ともなったドイツ=ハンザと並ぶ時代の商業組織とその活動について、比較を念頭におきつつ詳らかにすることの意義は大きいと信じる。以下では、ハンザや商人ギルドといったヨーロッパ中近世の商業史に関して、まずその学説史、特に20世紀末から21世紀初頭にかけて注目を浴びるようになった新潮流を軸に概観する。次いで、南ネーデルラントの初期的ハンザを取り上げ、実証的な側面において何がしかの新知見を得ることで、そうした研究動向に対する一定の貢献可能性を探っていく。

収録刊行物

  • 經濟學研究

    經濟學研究 79 (5/6), 119-155, 2013-03-28

    九州大学経済学会

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