俳句への興味・関心が俳句の情緒的意味の評定に及ぼす影響 : 創作経験の少ない鑑賞者を対象とするSD法による検討

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印象,力動,技巧の各因子5対ずつ計15の形容詞対から成るSemantic Differential尺度を構成し,教科書俳句の情緒的意味の評定を求めた。創作経験の少ない大学生100名を研究協力者とし,評定対象の俳句を知っているかどうかの回答と情緒的意味の評定を求めた。割り当てられた俳句の半数以上が既知の協力者を高興味群,既知が8分の1以下の協力者を低興味群とした。その結果,高興味群ではすべての因子において明瞭な個人差が認められたが,低興味群では,印象因子での個人差のみが見いだされた。俳句に興味・関心のある人が俳句を鑑賞する際,俳句のもつ特徴を詳細に分析したうえで,いくつかの観点を総合して評価をおこなうのに対し,俳句に対する興味・関心の低い人は,全体的な印象や好みに依存して評価をおこなうために,このような評定傾向の差が生じたと考えられる。

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