<論説>朝鮮・日本における初期金属器文化の系譜と展開 : 銅矛を中心として

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タイトル別名
  • <Articles>Genealogy and Development of the Culture in the Early Metallic Age in Korea and Japan
  • 朝鮮・日本における初期金属器文化の系譜と展開--銅矛を中心として
  • チョウセン ニホン ニ オケル ショキ キンゾクキ ブンカ ノ ケイフ ト テンカイ ドウホコ オ チュウシン ト シテ

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抄録

弥生文化の所産である青銅器の系譜を追求するため、本論では銅矛をとりあげた。中国では殷後期に、銎に両耳をもっ銅矛が出現する。しかし西周以降、中原および河北では無耳有穿の銅矛および戟の刺部が主流をしめている。一方春秋末以後、湖南を中心とする江南地域では銎部に鼻あるいは環耳をもつ矛があらわれ、戟は形づくらず特有の変化をしめす。河北の戦国時代青銅器文化の影響をうけて銅利器の鋳造を開始した北鮮では、いぜん実用の武器として銅矛は使用されていた。しかし南鮮では儀器化のきざしがみえる。弥生前期末近くに始まる日本の青銅利器は、慶州を中心とする朝鮮南部のものを舶載し、以後南朝鮮の工人の手によって、日本の青銅利器の鋳造が開始される。そして鋳造という利点を十二分に活用することなく一方向的な変化を示すものをつくりつづけ、弥生時代の社会の規制力をうかがわせる。

収録刊行物

  • 史林

    史林 52 (1), 75-115, 1969-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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