<論説>唐代青海東辺の諸城塞について : 『玉樹県志稿』の紹介を兼ねて

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  • <Articles>Fortresses in the East of Köke 青海 in T'ang Period 唐代
  • 唐代青海東辺の諸城塞について--「玉樹県志稿」の紹介を兼ねて
  • トウダイ チンハイ ヒガシ ヘン ノ ショ ジョウサイ ニ ツイテ ギョクジュ

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抄録

唐帝国では、吐蕃(古代チベット王国) の東進を防ぐために、開元の初に隴右節度使を置き、青海湖東辺に若干の城塞を設置した。それらは湟水の流域に沿い、或は湟水に注ぐ支流葯水の流域に存在した。しかしその位置は、元和郡県図志・通典・新唐書地理志などに里数と共に明記されているにも拘らず、比定は不正確なままであった。ここでは近年発刊された玉樹県志稿の附録に記された諸城比定を手引きにそれらの位置を確定化する。その結果は、水経注に書かれた漢魏以来の城塞の位置が多く唐代のそれと一致し、唐代にはその戦線が一層前進せしめられたことが明かになった。而してそれらの城塞は、玄宗の開元時代に最も多く設置されて活動し、それによって唐の吐蕃封じ込め作戦は成功したのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 58 (5), 633-653, 1975-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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