<論説>平安期の大和盆地における条里地割内部の土地利用

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タイトル別名
  • <Articles>The Agricultural Land Use in Jori 条理 System of Yamato Basin for Four Centuries before 1200
  • 平安期の大和盆地における条里地割内部の土地利用
  • ヘイアンキ ノ ヤマト ボンチ ニ オケル ジョウリ ジワリ ナイブ ノ トチ

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抄録

土地利用を具体的に記載した史料を整理し、現地比定を試みると、平安期の大和盆地の条里地割内部には、荒地などの耕地でない部分や事実上の畠が意外に多く、また現作率が低い場合やたとえ作付しても収穫不能な場合も多かったことが判明した。 しかも、弘福寺領・栄山寺領・稲吉負田・今吉負田などの検討によって、このような状況が微地形条件や灌漑状況に規制されてほとんど余儀なく生じた結果であることが明らかになった。さらに、その灌漑条件についての質的な検討と、その空間的な広がり状態についての分析の試みを展開し、大和盆地の灌漑に不可欠であった皿池の大部分が、平安期には存在しなかったこと、従って当期の灌漑条件は一般にかなり悪い状態であったことなども推定されるに至った。

収録刊行物

  • 史林

    史林 61 (3), 407-444, 1978-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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