<論説>寺内内閣時代の日中関係の一面 : 西原亀三と坂西利八郎

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • <Article>An Aspect of the Relations between Japan and China in the Period of the Terauchi 寺内 Cabinet
  • 寺内内閣時代の日中関係の一面--西原亀三と坂西利八郎
  • テラウチ ナイカク ジダイ ノ ニッチュウ カンケイ ノ イチメン ニシ ゲン

この論文をさがす

抄録

西原借款で有名な西原亀三は日記とぼう大な文書を残している。本稿はその研究の一部で、大隈内閣末期を論じた別稿に続くものである。期間は寺内内閣成立後約十ヵ月間をとりあつかう。また同文書中にある、従来その行動が明らかでない坂西利八郎の書翰により、両者の関係をみた。坂西ははじめ強硬策を主張し、西原は経済外交を主としているが、両者は対華策のうえでもしだいに接近する。それとともに、西原の施策は寺内内閣の中立政策と対立する。本稿の範囲では政府はなお中立政策を堅持し、勝田蔵相がやや逸脱する。この間、黎元洪と段祺瑞の対立、北方と南方との対立、督軍と南方派の対立、張勲の復辟など、変転する中国情勢のなかで、西原の政治的活動、外務省とも一定の連絡を保っていたこと、寺内-勝田-西原のいわゆる朝鮮組の活動を追跡し、従来の盲点を明らかにすることにつとめた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 64 (1), 1-36, 1981-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ