<論説>セプティミウス・セウェールスとローマ元首政

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タイトル別名
  • <Article>Septimius Severus and the Principate
  • セプティミウス・セウェールスとローマ元首政
  • セプティミウス セウェールス ト ローマ ゲンシュセイ

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抄録

ローマ皇帝セプティミウス・セウェールスの登位と統治は、従来ローマ元首政に転換をもたらしたと強調されてきた。しかし、今日彼を「ハンニバルの復讐者」「最初の軍人皇帝」とし、単純に変革的皇帝と断定する学説にはもはや左祖できない。そこで、本稿ではセウェールス帝と元老院および元老院議員との関係に考察の範囲を限定し、セウェールス帝政権の性格の解明を試みた。その結果、セウェールス帝と元老院との関係は、従来主張されてきたほど敵対的なものではないこと、セウェールス帝は属州統治や軍隊指揮の職務に元老院議員ではなく騎士身分の者を重く用いたが、かかる政策は、元老院権力の抑圧をめざしたものではなく、原理的にはマルクス・アウレリウス帝が対外政策との関係で行った改革的措置の延長上にあるものと考えられること、以上が明らかになった。

収録刊行物

  • 史林

    史林 65 (2), 280-315, 1982-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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