<論説>一国平均役の確立過程 : 中世国家論の一視角

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タイトル別名
  • <Articles>The Process of Establishment of Ikkoku Heikinyaku
  • 一国平均役の確立過程--中世国家論の一視角
  • イッコク ヘイキンヤク ノ カクリツ カテイ チュウセイ コッカロン ノ イチ

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抄録

内裏造営・大嘗会・伊勢神宮式年遷宮等の国家事業・行事を遂行するための費用として、庄園・公領を論ぜず賦課された一国平均役は中世の代表的な租税である。しかし、その租税制度の確立過程については十分明らかになっているとは言えない。本稿では、一一世紀初頭から賦課されるようになった一国平均役が一定の変質を遂げつつ、一つの租税として扱われるようになり、鎌倉期を通じて維持される形態が確立する過程を制度的側面から検討した。その結果、一国平均に課役を賦課するという形態は国司の主導により展開してきたものであり、後白河親政・院政初期になってはじめて朝廷は一国平均役の賦課・徴収に積極的に関与するようになる。さらにこの時期、その徴収・免除の面で鎌倉期を通じて維持される形態が確立する。したがって、後白河親政・院政初期に一国平均役という租税制度が確立したと言える。

収録刊行物

  • 史林

    史林 73 (1), 41-72, 1990-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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