<論説>近世ドイツ国制と帝国クライス制度 : 十六世紀末における帝国収税長官の対トルコ防衛政策をめぐって

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タイトル別名
  • <Articles>Die fruhneuzeitliche deutsche Verfassung und das Reichskreiswesen : Uber die Verteidigungspolitik des Reichspfennigmeisters gegen die Turkei im ausgehenden 16. Jahrhundert
  • 近世ドイツ国制と帝国クライス制度--16世紀末における帝国収税長官の対トルコ防衛政策をめぐって
  • キンセイ ドイツコクセイ ト テイコク クライス セイド 16セイキマツ ニ

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説明

近年の近世ドイツ国制史研究において顕著な動向のひとつとして、連邦的体制としての帝国(神聖ローマ帝国) 国制の重視、を指摘することができる。本稿の取り扱う帝国クライスは帝国の地方制度であり、その機能は、中間組織として諸領邦を地域ごとに結集し、それらをさらに帝国へと統合するところにあった。本稿は、先行研究によって明らかにされた帝国クライスの基本的位置付けを確認したうえで、等族の社会集団としての帝国クライスに即して、連邦的体制としての帝国国制に新たな見通しを与えることを目的とする。以下では、十六世紀末の対トルコ戦争の軍税捻出方式をめぐる帝国内の政治過程の分析を通じて、帝国クライスがその自律性を維持しながらも、皇帝の主導権のもとで対外戦争に組み込まれていく過程を照射することが課題となる。その際帝国収税長官ガイツコフラーの活動を取り上げることにより、帝国クライスの有り様に効果的に迫ることができよう。

収録刊行物

  • 史林

    史林 74 (1), 33-62, 1991-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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