<論説>労働攻勢と進歩党少壮派 : 二・一ゼネスト期における保守「革新」運動

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タイトル別名
  • <Articles>The Labor Offensive and the up-and-coming young members of the Japan Progressive Party (日本進歩党) : the Conservative 'Reform' Movement during the Period of the General Strike of February 1 1947
  • 労働攻勢と進歩党少壮派--2・1ゼネスト期における保守「革新」運動
  • ロウドウ コウセイ ト シンポトウ ショウソウハ 2 1 ゼネストキ ニ オケ

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抄録

敗戦と占領によって醸成された戦後変革情勢が最も高揚した一九四七年の二・一ゼネスト期における保守勢力の動向は従前比較的閑却されがちであった。小論は、二・一ゼネスト期に関する全体的歴史像把握のための補完作業の一環として、進歩党という保守党内に存在した政治グループ、犬養健を要とする進歩党少壮派のこの時期の動向を照射する。一〇月闘争から二・一ゼネストに至る労働攻勢に対応して、彼ら少壮派は、総裁幣原喜重郎ら党の要路と対抗しつつ、修正資本主義という政綱理念と社会党との提携という政権構想を打ち出していく。一〇月闘争下においては、犬養による第九〇議会総括、吉田内閣の基本施策への批判、電産争議の経験等、を通して徐々にそれを深化させ、二・一ゼネストを前にして、「社会連帯主義」「革新政策」を謳う新綱領・政策へと質的に上昇させる。そして、その直後吉田内閣の企てた社会党との二つの連立工作において、彼らはそうした自らの政綱理念と政権構想の実践を試みる。かくして、進歩党少壮派は、労働攻勢をバネとしつつ社会党との連立政権の実現に向けて必要な準備を着々と積み上げていく。

収録刊行物

  • 史林

    史林 74 (6), 847-880, 1991-11-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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