<論説>唐代の観察処置使について : 藩鎮体制の一考察

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タイトル別名
  • <Articles>Civil Governors 観察使 of the Tang Dynasty : a study on the Provincial Command 藩鎮 System
  • 唐代の観察処置使について--藩鎮体制の一考察
  • トウダイ ノ カンサツ ショチ シ ニ ツイテ ハンチン タイセイ ノ イチコ

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抄録

本稿は、藩鎮の兼ねる民政官職たる観察使を取り上げ、藩鎮体制の民政的側面を考察するものである。従来の藩鎮研究には次のような問題点があった。第一は、一部の反逆の藩鎮に見られる事象がそのまま一般化される傾向があることである。第二は、唐朝と藩鎮をあまりにも相離反する実態としてとらえていることである。第三は、藩鎮研究があまりにも軍事的側面に傾いていることである。第四は、藩鎮が全国に置かれてから中央と州との関係が大いに絶たれてしまったという認識の下で、研究が行われていることである。考察の対象は直接的には第三の問題点に関わるものであるとしても、それらが互いに密接に絡み合っているだけに、論述の過程では、自ずと他の問題点にも取り組むことになろう。そして、本稿の目的は、それらの問題点を抱える藩鎮研究の殆どが唐朝と藩鎮との関係に対して一定の認識をあらわし、またそれを重要な前提としてそれぞれの藩鎮論を展開していることを意識して、主に両者の関係に対する筆者の認識を示すことにある。

収録刊行物

  • 史林

    史林 77 (5), 706-736, 1994-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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