<論説>中国共産党の党内民主主義 : 一九二〇年代の党内論争を中心に

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タイトル別名
  • <Articles>Internal Party Democracy in the Chinese Communist Party : the disputes of the 1920s
  • 中国共産党の党内民主主義--1920年代の党内論争を中心に
  • チュウゴク キョウサントウ ノ トウナイ ミンシュ シュギ 1920ネンダイ

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説明

一九二〇年代、中国共産党の最初の一〇年間は、はげしい党内論争が繰り返された時代でもあった。当初、中国共産党の党規約は中央集権的色彩の濃いものであり、ボリシェヴィキの「民主主義的中央集権制」は組織原理として導入されてはいなかった。だが、多くの理論家たちからなっていた中国共産党の指導老たちは、草命の理論を追求しつつ、党の路線や政策を論争によって決定づけたのであって、全国大会や中央委員会総会は民主主義的な意思決定の場の役割を果していた。さらに二〇年代末の一時期は、民主集中制が導入され、党機関誌を舞台に党員大衆に開かれた公開論争が行われたように、党内民主主義はもっとも機能していた。しかし一九三〇年代にはいると、論争は機関誌からも、中央委員会総会などの会議の場からも姿を消す。党内民主主義の喪失=中国共産党の「一枚岩」化の過程は、四〇年代の毛沢東の最高指導権掌握で完結する。

収録刊行物

  • 史林

    史林 77 (6), 903-932, 1994-11-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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