立憲王政下フランスにおけるイエズス会神話--モンロジエからミシュレまで

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Other Title
  • <Articles>Le mythe jesuite sous la monarchie constitutionnelle : de Montiosier a Michelet
  • <論説>立憲王政下フランスにおけるイエズス会神話 : モンロジエからミシュレまで
  • リッケン オウセイ カ フランス ニ オケル イエズスカイ シンワ モンロジエ カラ ミシュレ マデ

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Abstract

一九世紀フランスの立憲王政期(一八一四~四八) に大量のイエズス会を攻撃するテクストが現れる。ところが、その言説の量と質は当時のイエズス会の実際の勢力とは明らかにずれがあり、そのなかで描かれるイエズス会のイメージは過度にステレオタイプ化されていた。こうした反イエズス会の言説に、「イエズス会神話」という言葉をあてて分析した研究が近年現れ、成果をあげている。これらの研究では、「イエズス会神話」は陰謀神話の系譜のなかに位置づけられ、同時にフランスの自由主義の特質が再考されている。しかし、これらの研究、とくにミシェル・ルロワの研究は、神話がフランス近代史の長い歴史の中で形成された事実と、神話が再燃した立憲王政期に固有の「状況」を軽視しており、その結果、革命後のフランス社会が直面していた問題(とくに教会と国家の関係と革命後の社会の道徳的な基礎) の重要性に正当な注意が払われていないのである。

Journal

  • 史林

    史林 81 (3), 327-362, 1998-05-01

    THE SHIGAKU KENKYUKAI (The Society of Historical Research), Kyoto University

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