<論説>オランダ東インド会社によるダイヤモンド交易 : J・P・クーンの書簡集を中心に

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書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Dutch Diamond Trade in the 17th Century
  • オランダ東インド会社によるダイヤモンド交易--J.P.クーンの書簡集を中心に
  • オランダ ヒガシインド ガイシャ ニ ヨル ダイヤモンド コウエキ J.P.クーン ノ ショカンシュウ オ チュウシン ニ

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抄録

オランダ東インド会社によるダイヤモンドの購入は、まずボルネオ島北西岸スカダナを中心に始められ、一六二〇年代にコロマンデル海岸を積み出し港とするインド産のものへと拡大していった。後者は埋蔵量・産出量ともに豊富と見なされ、会社も当初は大きな期待を寄せたが、実際には現地での紛争・政策等に左右された不安定な供給量、購入価格の高騰に悩まされ続けた。そのため、会社はインドでの取引開始後も、互いに供給を補完するような形で双方の産地で取引を行い、これにより継続的に原石を入手し続けようとした。これは本国の研磨技術の発展とも結びつき、今日まで続くオランダのダイヤモンド研磨業の基盤形勢に役立ったと考えられる。また、東南アジア各地の君主へのダイヤモンド売却の例は、当時ヨーロッパにおける研磨業の中心であったオランダの技術がこの地域でも好まれ、取引の要件としても重要であったことを示唆するものである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 81 (6), 779-814, 1998-11-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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