<論説>元代集賢院の設立

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Establishment of the Academy of Scholarly Worthies 集賢院 during the Yuan Dynasty
  • 元代集賢院の設立
  • ゲンダイ シュウケンイン ノ セツリツ

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説明

本稿では、これまで正面から取り上げられたことがなかった元代の集賢院について、その成立時期にあたる至元年間を中心に、集賢院設立までの経緯・人物・主要な活動・他機関との関連などを詳細に考察した。集賢院成立の背景には,従来から強調されてきた道教と政権を結ぶ組織の整備という目的だけでなく、政権に役立つ人物を任用する機関を作る目的があった。その役割は、皇室の志向や他機関との相互影響などによって、教育機関の統轄・所属機関への影響などを含め、その後少しずつ変化したが、すべて当初の集賢官が具有した「集賢(賢才を集める) 」という枠組みから理解できる。また、至元後期に成立したことから、任用の側面でも、道教や教育管理の側面でも、新興勢力である江南と結びつきが強かった。元代の官吏任用について、科挙だけではない多様な出仕経路の制度的裏づけにも注意を広げていく必要がある。

収録刊行物

  • 史林

    史林 83 (3), 457-485, 2000-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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