<論説>コムーネと広域秩序 : 一二・三世紀ロンバルディア・ピエモンテの都市間仲裁制

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タイトル別名
  • <Articles>Regional Order and Intercity Relationships in Medieval Northern Italy
  • コムーネと広域秩序--12・3世紀ロンバルディア・ピエモンテの都市間仲裁制
  • コムーネ ト コウイキ チツジョ 12 3セイキ ロンバルディア ピエモンテ ノ トシ カン チュウサイセイ

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抄録

本論文は、都市コムーネの分立抗争が続いていた一二・一三世紀の北イタリアにおいて、実際に都市や貴族の間に形成されていた関係がどのようなものであったかを検討し、一都市を超えた当時の広域的な秩序のあり様を考察した。その結果、ロンバルディアとピエモンテ地域では、主に有力都市であるミラーノの仲裁によりながら、紛争当事者に加え、利害関心を共有する様々な関係者が合意と承認を与えることによって平和と秩序を形成していたこと、しかし一方で、農村部集落の利害と意志は反映されず、一三世紀にこれらの集落が成長し重要性を増すにつれて、都市間の秩序形成システムは限界を露わにしていったことが明らかになった。最後には、このような都市間関係の一定の有効性を前提にしつつ、その限界を克服することにより、コムーネから領域国家への移行がもたらされることが展望されるであろう。

収録刊行物

  • 史林

    史林 83 (5), 792-828, 2000-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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