<論説>室町時代の災害と伊勢神宮 (特集 : 災害)

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タイトル別名
  • <Articles>Muromachi-period Disasters and Ise Jingu (Special Issue : DISASTERS in History and in our time)
  • 室町時代の災害と伊勢神宮
  • ムロマチ ジダイ ノ サイガイ ト イセ ジングウ
  • Muromachi-period Disasters and Ise Jingu

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抄録

国家の宗廟たる伊勢神宮では、災異が発生した際には、朝幕から祈祷命令が出されて祈祷が行われた。九世紀に怪異に対する国家の対処方法が確立されて以降室町時代までは、伊勢神宮において境内の木が倒れたり、社殿の千木が折れたり屋根が崩落したりすると、それは怪異とみなされて朝廷に報告された。そして朝廷では軒廊御トを行って怪異の原因が追及され、奉幣などの対応がなされた。神社にとって重要なのは、社殿が整っていて清浄な状態にあることであり、祭祀が決められたとおりに挙行されることによってカミは力を発揮することができた。ゆえに怪異・災害と遷宮は連動しており、中世の伊勢神宮では仮殿遷宮が頻繁に行われた。中世社会においては、災害は単なる自然現象ではなく、カミの意思のあわわれであって、カミの意思を推し量って災害を鎮めることが求められた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 96 (1), 42-70, 2013-01-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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