<論説>沖縄返還交渉と朝鮮半島情勢 : B52沖縄配備に着目して

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  • <Articles>The Influence of the Security Crisis on the Korean Peninsula on the Okinawa Reversion Negotiations, Focusing on the Deployment of B52 Bombers in Okinawa
  • The Influence of the Security Crisis on the Korean Peninsula on the Okinawa Reversion Negotiations, Focusing on the Deployment of B52 Bombers in Okinawa
  • 沖縄返還交渉と朝鮮半島情勢 : B52沖縄配備に着目して
  • オキナワ ヘンカン コウショウ ト チョウセン ハントウ ジョウセイ : B52 オキナワ ハイビ ニ チャクモク シテ

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抄録

本稿は、ベトナム戦争中の一九六八年二月に行われた沖縄へのB52配備の背景に、朝鮮半島の安保危機があったことを明らかにし、その後の朝鮮半島情勢と沖縄現地の動向が沖縄返還交渉に与えた影響を分析した。沖縄では、B52配備への反発も一因となり、同年一一月の首長選挙で革新政権が成立し、その直後にB52墜落爆発事故が起きたことから、B52撤去を求め一九六九年二月にゼネストが計画された。結果的にゼネストは回避されたが、これらの事態から日米両政府は沖縄返還が不可避だと認識し、沖縄返還交渉が本格化した。返還による沖縄基地の弱体化を恐れた韓国政府は、沖縄の基地機能維持を求め日米に積極的に働きかけを行った。一九六九年四月に起きた北朝鮮による米軍偵察機EC121撃墜事件は、沖縄基地の重要性を日米韓各政府に再認識させ、沖縄住民が「即時無条件全面返還」を主張したにもかかわらず、一九六九年一一月に基地機能を維持したままの施政権返還が決定された。

収録刊行物

  • 史林

    史林 97 (3), 416-486, 2014-05-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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