<論説>ロシアのウラマーとイスラーム教育網に関する試論 : 一九世紀前半まで (特集 : 学びのネットワーク)

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書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Russian 'Ulamā' and Their Islamic Educational Network Before the Mid-Nineteenth Century (Special Issue : Networks of Learning)
  • ロシアのウラマーとイスラーム教育網に関する試論 : 一九世紀前半まで
  • ロシア ノ ウラマー ト イスラーム キョウイクモウ ニ カンスル シロン : イチキュウセイキ ゼンハン マデ

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説明

本稿は、ロシア帝国ヴォルガ・ウラル地域のテュルク系ムスリムのウラマーであるリザエッディン・ブン・ファフレッディンの著作『事績』に基づき、一九世紀前半までの当該地域のウラマーによる、学問のための移動と人的ネットワーク形成の様相を描き出すものである。この地域のウラマーには、一八世紀末~一九世紀初頭までダゲスタンに遊学する者がいたが、その一方で一八世紀後半には、ブハラに遊学する者が増え始めていた。彼らは帰郷後、ザカザニエ地方の村落を拠点とする傾向にあった。さらに、オレンブルク近郊のカルガルのウラマーに学ぶ者も現れた。地域内では彼らに師事するためザカザニエ地方をめざす学生が増加した。そして、ウラマーの師弟関係の系譜を基盤とする学問的紐帯が、カザンおよびザカザニエ地方とブハラの間で形成されていった。ウラマーは、師弟・学友関係や姻戚・親戚関係を築くことで、ある種身分集団のような社会層を形成していた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 101 (1), 116-149, 2018-01-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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