<論説>宋代州県制度の由来とその特色 : 特に衙前の変遷について

DOI HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Chou-hsien System under the Sung Dynasty : An Essay on the History of the Ya-ch'ien

この論文をさがす

抄録

宋代の地方制度は中央の官制と同様に複雑を極めたものであつた。それは唐代の地方民政機関としての州が、藩鎮の跋扈の影響を受けて軍事化し、州院と使院との二重体制が生じたためである。宋代に入つても形式上はこれが継続していた。この変遷を背景として始めて唐末から北宋への地方政治の諸相を理解することができる。宋代の農民地主を苦しめた役である衙前は、州衙門の軍事面を司る節度使としての役所たる使院の機構の中から発生したもので、宋の統一による中央集権の強化の結果、徒らに経済的負担が重くて地位の低い職役となり下つた。この職役なるものは、原来地方税の意味を含むものであつて、それが中世的な形で課せられていたのである。王安石の役法改正は、この役の形の地方税を金銭化し更に地方財政制度の確立を目ざしたもので甚だ進歩した政策であつた。この改正以後、宋代では役の問題は農村において服役する郷役に限られることになつた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 36 (2), 101-127, 1953-07-20

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390009224848509312
  • NII論文ID
    120006817887
  • NII書誌ID
    AN00119179
  • DOI
    10.14989/shirin_36_101
  • HANDLE
    2433/249071
  • ISSN
    03869369
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

問題の指摘

ページトップへ