<論説>平安初期の国衙と富豪層 : 国衙領形成過程の一側面

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タイトル別名
  • <Articles>The Local Government Office and the Fugo (富豪) Class in Early Heian (平安) Period

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抄録

九・十世紀に律令制を転換させた潜在勢力の中心は、当時「富豪」といわれた階層であるが、律令制の致命傷となつた浪人の中にもこの富豪層が居り、八世紀末から庄園のみならず公領でも活躍した。この富豪浪人を住民と共に再組織するために、地方の各国衙は九世紀後半に一国的な慣習法=「国例」を定め、被支配身分・徴税法・処罰規定等について、律令法の基本的修正を行つた。一方、大量の稲穀を蓄積した富豪層は、それを投下して直営地経営と高利貸を行い、その活動を基礎として納税請負人となる。そこに「名」の一つの起源がある。そしてその請負行為も国例として制度化され、富豪を中心とした公領の納税責任者は、一率に「負名」の身分を獲得し、かくして国衙領の公民が出現するのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 42 (2), 231-253, 1959-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390009224848633216
  • NII論文ID
    120006818176
  • NII書誌ID
    AN00119179
  • DOI
    10.14989/shirin_42_231
  • HANDLE
    2433/249401
  • ISSN
    03869369
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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