<研究ノート>デュルク・ファン・ホッヘンドルプの思想と行動 : オランダ植民史断章

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タイトル別名
  • <Note>Thoughts and Deeds of Dirk van Hogendorp : a fragment of the Dutch Coloniol history
  • デュルク・ファン・ホッヘンドルプの思想と行動--オランダ植民史断章
  • デュルク ファン ホッヘンドルプ ノ シソウ ト コウドウ オランダ ショクミンシ ダンショウ

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抄録

本稿はヨーロッパを震源地とした、東南アジヤ、特にジャワにおける植民政策の変化の相と英蘭軍事抗争の姿を、ルツソー的人物、ホッヘンドルプに焦点を合せて述べたものである。十八世紀中葉から十九世紀初頭にかけて東南アジヤの植艮地にも可成激しい変動があった。マゼラン海峡からケープまで、その国旗を翻えしていた旧植民帝国オランダは、大革命の結果、本国ではフランスの保護下におかれ、海外では新進英国の産業資本の前に圧倒されて昔日の威勢を失墜する。同時に旧来の「東印度会社」的な植民行致はここに変更を余儀なくさせられる。オランダは一方で自樹己を産業資本的に作りかえながらも、一方においては必ずしも産業資本体制に順応できず、結局、「商業体制」「強制栽培制度」に逆行する。彼は旧来の東印度会社的収奪の対象であった櫃民地を、土地改革により原住民に個人化を徹底させて商品作物を奨励し、これらの政策を通じて市場としての植民地に変化させようとした。彼の意図は大革命の精神、即ち時代精神を植民地に適応せんとしたものである。フランス革命の「東南アジヤ版」といえよう。

収録刊行物

  • 史林

    史林 49 (1), 131-148, 1966-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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