少年司法における社会的排除/包摂 : 「健全育成」概念による選別を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • Social Exclusion / Inclusion in Juvenile Judiciary : Distinction by Concept of Sound Development
  • ショウネン シホウ ニ オケル シャカイテキ ハイジョ/ホウセツ : 「 ケンゼン イクセイ 」 ガイネン ニ ヨル センベツ オ チュウシン ニ

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抄録

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[要旨] 少年法第1条で謳われている「健全育成」という曖昧な目的概念のもと、少年司法における各関係機関は社会的排除/包摂機能を担っている。少年司法関係機関の中で最も多く「健全育成」概念を規定に盛り込んでいる少年警察活動における補導表の作成や、少年鑑別所における健全な社会生活を営むために必要な事項への助言・指導によって、何が「健全育成を阻害する行為」かが選別され、その行為とそれに対する社会的排除/包摂を予期させ、身体や発話への細部にわたる働き掛けを行っていく仕組みこそが、少年司法を特徴づけている。一方、全体社会に対して少年矯正が果たしている役割は「空間的排除/文化的包摂」という特殊な機能であり、非行少年を他者として本質化することは社会的排除を容易にしてしまう上に、「非行少年」の政治的権利が極めて弱く、「健全育成」を「非行少年」という当事者が不在の言説空間で定めていることが、大きな課題として浮かび上がった。

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