-
- 朴 育美
- 関西外国語大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- Revisit the Inner World of “Dangling Man” through the Scope of Adler’s Individual Psychology
- アドラー シンリガク カラ ヨム チュウブラリン ノ オトコ シコウ ノ フクロコウジ カラノ テンカン オ モトメテ
この論文をさがす
説明
ソール・ベローの『宙ぶらりんの男』には、精神分析的思索に自己救済の糸口を求める、主人公ジョウゼフの内面世界が赤裸々に描かれている。その姿は、現代の私たちが「本当の自分」を求め、ただならぬ関心を心理学に寄せる姿にも重なる。昨今の心理学ブームの背景にあるのは、日常生活に支障をきたすほどではなくても、「自由になった」心と自己をもてあます人の増加だろう。この論考では、精神分析的思索の限界を顕在化させ、それを打ち破る手法として、トラウマを否定するアドラー心理学に注目する。具体的には、フロイトの原因論を批判し、より実践的な人間救済を目指したアドラーの個人心理学を軸に、改めて主人公ジョウゼフの内的葛藤について考え、思考の袋小路からの転換を模索する。それはきっと、自己への関心に取りつかれながらも、自己をもてあます現代の私たちに、何がしかの生きる手がかりを与えてくれるのではないだろうか。
収録刊行物
-
- 研究論集
-
研究論集 108 21-33, 2018-09
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390009224859227904
-
- NII論文ID
- 120006530640
-
- NII書誌ID
- AN00046756
-
- NDL書誌ID
- 029294552
-
- ISSN
- 03881067
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可