有機的統合理論における自律-他律パラダイムを用いた主体性概念の理解 : “主体的に行動しなさい”は矛盾しているのか

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Subjectivity from the Perspective of Autonomous-Controlled Paradigm in Organismic Integration Theory
  • ユウキテキ トウゴウ リロン ニオケル ジリツ タリツ パラダイム オ モチイタ シュタイセイ ガイネン ノ リカイ シュタイテキ ニ コウドウ シナサイ ワ ムジュン シテ イルノカ
  • ユウキテキ トウゴウ リロン ニ オケル ジリツ-タリツ パラダイム オ モチイタ シュタイセイ ガイネン ノ リカイ : "シュタイテキ ニ コウドウ シナサイ"ハ ムジュン シテ イル ノ カ

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説明

本研究は有機的統合理論における自律-他律パラダイムの観点から主体性概念の構造的理解を試みるものである。主体性という言葉は教育や産業の現場でも頻繁に使用されるが自律や自発などの類語が存在するうえ、それらが何を意味するのか定義が一定しない。自ら考えて行動しても他者の期待に沿わなければ主体的との評価がなされないこともある。本研究は文部科学省「生徒指導提要」の分類を出発点とし、モチベーション研究における有機的統合理論の枠組みを用いて主体性および類語の整理を行った。その結果、自ら考え行動するだけでは自発・自主であり、計画性が認められると自律となり、自らの考えからではなく他者の期待や組織のルールに沿ったことを自らの意志で行うことが主体性であることがわかった。これは有機的統合理論では社会化された外発的動機づけに相当し、主体性が自律的ながら外部から動機づけられた手段性を有するものであることを意味している。

収録刊行物

  • 研究論集

    研究論集 111 193-211, 2020-03

    関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部

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