伝記による道徳教育 ― 歴史的変遷と教材化への視点 ―

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  • デンキ ニ ヨル ドウトク キョウイク : レキシテキ ヘンセン ト キョウザイカ エ ノ シテン

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本研究の目的は、伝記の教育的意義を考察し、伝記を活用した道徳教育に対する反対論やその問題点を指摘する意見を考察し検討する中で、よりよい伝記の活用方法を探求することである。伝記は、有効な道徳教育の資料になると考えられる。しかし、取り扱いには、留意すべきことがある。それをまとめると次のようになる。①  偉人といえども人間であるから、悩み・迷いと言った弱さがあり、そこに焦点を当てることによって、子どもの心との重ね合わせを図る。②  転機に着眼させ、それを通して、自分の今まで気付かなかった心の転機に気付かせる。③  人物の業績や行為そのものよりも、その行為を支えたものの考え方や心情について堀り下げ、ねらいとする価値に向かって考えを深めさせる。④  成功・失敗という結果よりも、人間が懸命に生きた姿の尊さに目を向けさせる。⑤  存命中の人物を取り扱う場合には、その成功に至るまでの努力と工夫に目を向けさせる。⑥  人物の言葉を扱う場合には、学年が進むにつれて、自分たちの生き方につながる討論に発展するように方向づける。

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