主観的業績評価の理論と現実--大手自動車販売会社の人事・製品取引データと社員意識調査結果との接合データによる検証--

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Theory and Practice of Subjective Performance Evaluations--Evidence from Matched Personnel and Transaction Records and Employee Survey Data in a Large Japanese Auto Sales Company--
  • シュカンテキ ギョウセキ ヒョウカ ノ リロン ト ゲンジツ オオテ ジドウシャ ハンバイ ガイシャ ノ ジンジ セイヒン トリヒキ データ ト シャイン イシキ チョウサ ケッカ ト ノ セツゴウ データ ニ ヨル ケンショウ

この論文をさがす

抄録

この論文の目的は,主観的業績評価の功罪を実証的に明らかにすることにある.現代の職場の多くでは,客観的成果指標の利用可能性は限られており,主観的評価が用いられることが普通である.主観的評価には,①マルチタスクがある場合のインセンティブ強化に役立つ,②制御不能なリスクの軽減に利用することによりインセンティブの強化をもたらすというポジティブな側面がある一方で,③えこひいきなどのバイアスが伴い,④そのバイアスが生産性に悪影響を及ぼすというネガティブな側面もあることを理論研究は示唆してきた.本稿では,大手自動車販売会社の人事・製品取引データと社員意識調査データとの接合データを用い,そうした理論的予測の実証分析を行った.分析の結果,4つの命題はおおむね実証的に支持された.しかし,マルチタスクがある場合のインセンティブ強化とバイアスがある場合の生産性の低下への統計的支持は限界的なものにとどまった.

収録刊行物

  • 経済研究

    経済研究 62 (4), 289-300, 2011-10-25

    岩波書店

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ