文法点導入における話題と場面の設定 : 比較構文を例に

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  • 语法点引入时的话题与场景设定 : 以差比句的处理为例

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初級中国語学習者向け比較構文の教授法について、これまで多くの研究がなされてきたが、そのほとんどは比較構文の文法的特徴のみに焦点を当てたものである。そこで本稿では、主にコミュニケーション論の観点から、比較構文の導入に用いられる例文の話題や場面について考察することにした。中国語教科書調査や学習者アンケートを通して、比較構文導入に関する問題点を明らかにした上で、中国語コミュニケーション能力の向上につながる導入方法を提案した。本稿は、5 節からなっている。第1 節では、本稿の研究対象、研究方法及び研究目的を述べた。第2 節では、日本で使用されている教科書15 冊を対象に、統計調査を行い、比較構文の導入状況を概観した。その結果、次の2 点が得られた。①比較構文は文法点として導入されることが多く、その構造的特徴を中心に教授される傾向が顕著である。②導入に使用される例文は、単独で示されており、使用場面などがほとんど提示されていないため、言語運用面への配慮が不十分である。第3 節では、比較構文導入に用いられた例文について、アンケート調査で学習者の立場から評価してもらい、さらに比較構文をどのような話題と場面で導入してほしいかを聴取した。そして、学習者が、日常生活において応用が効きやすい話題や場面の設定のなかでの習得を希望していることが分かった。第4 節では、第2-3 節を踏まえ、学習者から評価の低い例文について分析し、その原因が学習者の生活からかけ離れた話題を扱ったものであり、使用場面が想定されにくいことにあると指摘した。最後に、第5 節では、文法点の導入に関しては、文法中心の教授法から脱却すべきであると主張し、学習者の視点による話題・場面設定を行った上で、コミュニケーション性の高い効率的な導入方法を提案した。

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