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- タイトル別名
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- What do English Speakers Know about gera-gera and yota-yota?: A Cross-linguistic Investigation of Mimetic Words of Laughing and Walking
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説明
一般に語音とその語が指す意味の関係は恣意的なものであるが、例外的に語音と意味の間に関係があるとされるのが擬音語・擬態語・擬声語などである。日本語母語話者には、擬声語の言語音はその後の指す声に類似し、擬態語の言語音はその音の指す状態や様子を象徴的に表しているかのように感じられるだろう。しかし、日本語母語話者が感じ取る音声と意味の類似性(類像性)や象徴的な関係(音象徴)を他言語の話者が同様に感じるとは限らない。 本研究では、日本語の学習経験のない英語話者が、笑いを表す日本語の擬声語と歩き方を表す日本語の擬態語をどのような笑い方・歩き方と解釈するのかを調査し、日本語母語話者の回答と比較した。英語話者は擬声語・擬態語を聞き、日本語話者は印刷された擬声語・擬態語を見て、笑い方に関する20の意味項目(大きい声か、口を大きく開けて笑うのか、など)と歩き方に関する21の意味項目(大またか、速いか、など)について7段階の判断をした。その結果、笑いを指す擬声語については、母語/a/を含む語は何かが面白くて笑っているらしい明るくて快い笑いを指すなど、英語話者と日本語話者の回答にかなりの一致がみられ、英語話者・日本語話者共通の音象徴が確認されたが、母音/e/を含む語が下品で不快な笑いを示すなどの感覚は英語話者はとらえることができなかった。笑いを表す擬声語に比べ、歩き方を示す擬態語については英語話者と日本語話者の回答に一致はあまり見られなかった。日本語話者の場合、濁音を含む擬態語が大きい人の大股の歩き方、静音を含む語が女性的で乱れのない歩き方と捉えるなど、清・濁音の違いに敏感であったのに比べ、英語話者の場合は濁音を含む語の方が大きい人の歩き方と捉える傾向があったのみであった。本研究で日本語の笑いを表す擬声語と歩き方の擬態語における日本語特有の音象徴と英語話者にもとらえられる音象徴が明らかとなった。
収録刊行物
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- 世界の日本語教育. 日本語教育論集
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世界の日本語教育. 日本語教育論集 17 53-78, 2007-06-30
国際交流基金日本語事業部企画調整課
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390009224882443776
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- NII論文ID
- 110006279744
- 40015589044
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- NII書誌ID
- AN10390791
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- ISSN
- 09172920
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- NDL書誌ID
- 8905443
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- 本文言語コード
- en
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles