コミュニケーション能力の向上を目指して : 討論会を通してその可能性を探る

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タイトル別名
  • A Study on Improving Communication Ability in Conversation Classes :An Approach through a Discussion Program
  • コミュニケーション ノウリョク ノ コウジョウ オ メザシテ トウロンカイ オ トオシテ ソノ カノウセイ オ サグル

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説明

台湾の私立東呉大學の日本語学科の会話授業において、コミュニケーション能力向上の可能性を探ってみた。コミュニケーション能力の向上は 「読解」 「伝達」 「理解」 「討論」 の 4 つの側面と深く関わっている。本稿で論述する討論会では、学習者があるテーマについて、要約あるいは大意を把握したものを発表し、クラスで討論し合い、いかなる結論を出すかに力を注いだ。 筆者はこの一連の過程において、 次の 4 つの提案をし、その実践の分析を試みた。 (1)コミュニケーション能力の向上には読解力と要約力を養う必要がある。 (2)コミュニケーション能力の向上には談話構成能力と伝達能力が求められる。 (3)コミュニケーション能力を向上させるにはまず人の話を聞くことから始めなければならない。そのためには、聞き取りと理解力を養わなければならない。 (4)コミュニケーションはお互いが理解し合える場を作りあげる。 40 回に及ぶ討論会を通して、提案はその妥当性が認められた。それはペア・ワークによる事前の周到な準備がそれを可能にしたと言える。 また、台湾人は日本人ほどあいづちを打たないが、 外国語(日本語)によるコミュニケーションにおいては、聞き手の 「あいづち」 や 「うなずき」 「微笑み」 が、話し手の精神的緊張感を和らげていることが、 提案の分析以外に観察された。それは自己の発話に自信の持てない学習者ほど顕著に現れていた。

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