<論説>ジェンダーと郊外 --戦後日本における計画空間の誕生とその変容-- (特集 : ジェンダー)

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Gender and the Suburbs: The Origin and Evolution of Planned Space in Post-War Japan (Special Issue : Gender)
  • ジェンダーと郊外 : 戦後日本における計画空間の誕生とその変容
  • ジェンダー ト コウガイ : センゴ ニホン ニ オケル ケイカク クウカン ノ タンジョウ ト ソノ ヘンヨウ

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抄録

本研究では、戦後に計画空間としてつくられた郊外の誕生経緯と機能を整理し、近年生じている新たな郊外の変容について、ジェンダーの視点から考察することを目的とする。高度経済成長期の日本では、地方から都市へ労働力として多くの人々が移動した。こうした人々の住宅難を解決するため、国や旧日本住宅公団による大規模な宅地開発が行われた。このような開発は、経済成長の過程における「良質な労働力確保」を目的としていたため、結果として、ビジネスや生産機能に特化した都心に対し、住機能や再生産に特化した郊外が誕生した。こうして日本の大都市圏は、近代家族を前提としながら、完全な職住分離の構造をなしたのである。しかし近年、グローバル化など変化の波により、都市郊外は過渡期を迎えている。本研究では、大阪府千里ニュータウンに暮らす女性たちのライフストーリーを検討し、戦後の日本に計画空間として造成された郊外が、既存のジェンダー秩序を乗り越える変容を遂げつつあるのかについて考察したい。

収録刊行物

  • 史林

    史林 104 (1), 226-262, 2021-01-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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