在日外国人労働者の異文化適応についての調査研究(その2)

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抄録

本研究は質的調査研究手法を使い、メンタルヘルスに関する基礎的なことを考慮しながら、 在日外国人労働者の異文化適応によるメンタルヘルスへの影響を探ることを目的とした。 質的調査方法として①自由記述法(開かれた質問「日本での生活のことで思うことを、自由に 書いてください(文字数の制限はない)」)、②半構造化面接、予め質問を用意しておくが、被面 接者の状況や回答に応じて、質問の表現、順序、内容を変化させてインタビュー法を使った。 日本での生活に関して、日本文化、安全、緑といった反応が多く、ポジティブの感情はネガティ ブより強いことがわかった。外国人労働者は日本人に好感度を持つこと、日本のことをポジティ ブに感じていることが明らかとなった。言葉の壁、生活習慣のハンディキャップ、受け入れてく れない困惑など、異文化適応で困難なことに遭遇したことが浮き彫りになった。日本人に対し て、異文化への理解、フレンドリーに接してほしい、英語力などつけてほしいなどの提案があ り、また、日本人との交流に困惑していることも示唆された。 外国人労働者は日本での生活、職場の面で母国と異なる文化に接触することによってさまざ まなハンディキャップを抱えて、相当なストレスがかかっていることが明らかになった。本研究は 外国人労働者の受け入れに一助になればと願う。

収録刊行物

  • 聖泉論叢

    聖泉論叢 (28), 19-40, 2021

    聖泉大学 看護学部

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