在日外国人労働者の異文化適応についての調査研究(その1)

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抄録

本研究は来日一年以上の外国人労働者の異文化適応についての調査研究である。メンタルヘルスに関する基礎的なことを考慮しながら、異文化接触によって、あるいは、多文化環境での労働や生活のなかで生じるメンタルヘルスの問題について焦点をあてて研究をし、在日外国人労働者の異文化適応によるメンタルヘルスへの影響を明かすことを目的とした。本研究は改訂版MMS(Mental Screening Sheet)と職場ストレス簡易調査表改変版(厚生労働省)を使用した質問紙調査(量的研究)を行った。改訂版MMS(Mental Screening Sheet)の分析結果、6 因子の構造パターンが見られた。日本での生活や仕事への適応に関する意識は“自己抑圧性” “孤独感・疎外感” “友好な対人関係” “ストレス反応” “自己不安感” “適応力・対応力” から構成されていることが明らかとなった。職場ストレス簡易調査表改変版(厚生労働省)の結果は、全体としての傾向は、“ストレス傾向あり”の人数は全体の約7 割を占めていた。「業務の量的負担」と「業務の質的負荷」がより強く感じられていることが示唆された。外国人労働者は生活・職場の面で母国と異なる文化に接触-異文化接触により多くのストレスがかかることが見られた。

収録刊行物

  • 聖泉論叢

    聖泉論叢 (28), 1-18, 2021

    聖泉大学紀要委員会

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