中原中也『山羊の歌』の構成と表現

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タイトル別名
  • A Study of the Construction and the Representation of Yagi no Uta by Nakahara Chuya
  • チュウゲン チュウヤ 『 ヤギ ノ ウタ 』 ノ コウセイ ト ヒョウゲン

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説明

中原中也の第一詩集『山羊の歌』について、菅谷規矩雄の「中原中也の七五調 方法と表現史での必然性」をヒントとし、構成意識が高く形式的、イメージ的な「歌」としての詩の表現と、より散文的な「告白体」ともいえる「述志」としての詩の表現という二つの表現のタイプを考え、それらに基づき、『山羊の歌』がどのように構成されているかを分析する。『山羊の歌』は前半の「初期詩篇」と後半の四つの章に大きく分けられ、前半部では、構成意識の高い「歌」の表現に、次第に破調やリフレインなどの口語的要素が入り込んでくる様子が見て取れる。後半部では、一人称語りの「述志」の告白体が優勢となり、同時代の小説言語に繋がるような可能性も見せる。しかし最終的には、一人称告白体に戻り、形式を失うかたちで詩集は閉じられている。

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