戦略的視点から見たリアルオプション・アプローチの有用性

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  • Utility of Real Options from a Strategic Point of View
  • センリャクテキ シテン カラ ミタ リアルオプション アプローチ ノ ユウヨウセイ

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抄録

これまで行われてきた伝統的なDCF法をはじめとする各種の投資評価方法は意思決定の柔軟性を考慮せず,投資時点において将来生じる可能性のある全ての事業リスクに対処しなければならないという非現実的な仮定の下で適用されてきた。それに対してリアルオプション・アプローチは金融オプションの考え方を援用し,将来のリスクをオプションとして捉え,そのオプション価値を投資評価に織り込むことで意思決定の柔軟性を考慮する。伝統的なDCF法とリアルオプションとを同じ投資案に適用することで意思決定に明らかな相違が生じることが示される。その相違はオプション価値の存在に依存している。経営環境の不確実性が高まる中で,リスクに対する意思決定の柔軟性を考慮するリアルオプションは企業経営者の戦略的意思決定の自由度を高めることのできる有用な方法であるが,未だ克服しなければならないいくつかの課題も残されている。

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