国家承認基準の展開 : コソボおよびアブハジアに関する実行の比較検討

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タイトル別名
  • The recent practice concerning recognition of states : on a parallel between Kosovo and Abkhazia
  • コッカ ショウニン キジュン ノ テンカイ : コソボ オヨビ アブハジア ニカンスル ジッコウ ノ ヒカク ケントウ

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抄録

コソボの分離独立は国際司法裁判所勧告的意見において合法的と判断されて主要諸国を含む多数の諸国からの国家承認を付与された一方で、アブハジアのグルジアからの分離独立は認められず、国際機構はグルジアの領土保全を保護しているのはなぜか。本稿はコソボおよびアブハジアの各事例に含まれる要因の比較検討という視点から、国家承認規則の現状を探ろうとするものである。この問題について国家性要件または基準、次に国家創設過程における強行規範違反の存否、そして分離権に関して検討し、以下のような仮説を導いた。コソボについては、独立宣言時点において伝統的国家性基準を満たしていなかったが、追加的国家性基準に従うことを宣言しており、国家創設プロセスにおける強行規範の違反がなく、救済的分離権の主体として認められる要件を満たしている事例であり、ゆえに国際社会は同実体を国家として承認した。他方、アブハジアについては、追加的国家性基準を満たしておらず、国家創設プロセスにおける強行規範違反が存在し、救済的分離権の要件を満たしていない事例であり、ゆえに国際社会は同実体を国家として承認していない。

収録刊行物

  • 同志社法學

    同志社法學 64 (7), 2181-2228, 2013-03-31

    同志社法學會

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