ディアスポラとしての中上健次 : 虚構の「路地」と現実の被差別部落

書誌事項

タイトル別名
  • ディアスポラ ト シテ ノ チュウ ジョウケンジ キョコウ ノ ロジ ト ゲンジツ ノ ヒサベツ ブラク
  • ディアスポラ トシテノ ナカガミ ケンジ キョコウ ノ ロジ ト ゲンジツ ノ ヒサベツ ブラク

この論文をさがす

抄録

1. はじめに : 中上健次は、戦後生まれ作家として最初に芥川賞を受賞し、生涯のテーマとして「路地」をとりあげ、さまざまな作品を世に送り出した。「解放教育」に寄稿した「生のままの子ら」で、中上健次は自らを「部落が文字と出会って生まれ出た初めの子である」といい、「今まで隠されてきたいわゆる被差別部落、被差別民の文化遺産ってものを、掘り起こす」ことを、中上健次は生涯の課題とすると語っている。しかし、梁石日は、「中上健次は路地から逃れた人間であり、そのことが彼の情念を行きつくことのできない彼岸へかりたてた」と批判する。……

収録刊行物

  • 人権問題研究

    人権問題研究 1 39-54, 2001

    大阪市立大学人権問題研究会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ