造血幹細胞移植における亜鉛製剤を用いた口内炎・咽頭炎に対する効果

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  • ゾウケツ カンサイボウ イショク ニオケル アエン セイザイ オモチイタ コウナイエン イントウエン ニ タイスル コウカ

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我々の施設では以前より、アロプリノール含軟水と、フリーラジカル除去・粘膜保護・組織修復作用を持つボラプレジングとアルギン酸ナトリウムの混合液(以下PAG液とする)を使用し、造血幹細胞移植を受ける患者の口内炎・咽頭炎の予防・治療効果を検討していた。先行研究結果では、pAG液がアロプリノール水に比べ、口内炎・咽頭炎の予防および治療効果があるという傾向を認めたが、統計学的な有意差は得られなかった。そこで今回先行研究結果を踏まえて、両者を統計学的に解析するための研究を行なったので報告する。口内炎の有症期間は、アロプリノール水群に比べ、PAG液群で有意に短い傾向が認められた。また、観察期間の経過を通じてみてみると、PAG液群において口内炎の改善が有意に速やかであった。これらのことから、PAG液は口内炎の発症を抑制するのではなく、治癒を促進する効果があることが分かった。移植前処置の種類別でみた場合、口内炎・咽頭炎ともに骨髄破壊的前処置を行った症例でPAG液に治癒促進効果の傾向が認められた。

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