保育所を利用する保護者が保育士に悩みを相談する条件-保護者へのインタビューを通して-

書誌事項

タイトル別名
  • Conditions that parents using a nursery school talks about their troubles with nursery teachers:Analysis of interviews with parents
  • ホイクジョ オ リヨウ スル ホゴシャ ガ ホイクシ ニ ナヤミ オ ソウダン スル ジョウケン : ホゴシャ エ ノ インタビュー オ トオシテ

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抄録

本研究の目的は,保育所を利用する保護者がいかなる条件であれば保育士に自らの悩み相談するのか,相談前から相談後までの過程,子育て困難に対する相談のしやすさと生活困難に対するそれは同質か,の3 点を明らかにすることである。保護者にインタビューを実施し,その逐語録をKJ 法を参考に分析した結果,1)【日常的な保護者へのアプローチ】,2)【信頼される保育所運営】,3)【地域の交流】の基盤条件,4)【保育士としての行動特性】,5)【敷居の低い相談対応】,6)【相談場所であることの周知】の誘因条件,7)【対人援助技術の活用】,8)【相談内容に応じた具体的対応】の実践条件が浮き彫りとなった。これらの関連性は,基盤条件により保護者は保育士や保育所への信頼や安心感を深め,誘因条件によって話すことが触発され,実践条件で保護者の抱える課題が軽減される。結果,保護者は対応に満足し,さらに保育士・保育所への信頼が高まり,再び相談しようと考えたり,子育て以外の相談をしたりするようになる。今後の課題は,対象を広げて各項目の関連性などを含めて,量的データの収集・分析から実証的に検討することである。

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