同原文における日本語翻訳の差異
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説明
<概要> 近年、外国文学に興味を持つ人は多くなっている。しかし、多くの人は原文ではなく、翻訳者によって日本語訳された外国文学を読んでいる。人気のある作品では、原文が何人もの翻訳者によって訳されていることもある。それらを比較すると、原文は同じでも、いくつかの差異があり、一 定のパター ンが認められる。先行研究によって、翻訳者は想定読者層、文体、人物像の3 点に配慮して翻訳を行っていると分かった C 本稿では、原文の翻訳にはそれら3 点が関連 していると仮定し、4冊の『星の王子さま』の日本語翻訳を用いて検証した。想定読者層では学習指導要領を参考に、訳文中の漢字の難解さ、ルビの有無によって、どの学年を想定しているか、大人向けか子供向けかを分析した。次に文体では地の文を比較し、敬体か常体か、また「硬い文体」か「柔らかい文体」かを分類した。人間像では登場人物の呼称を表にし、それぞれの翻訳での人物像の特徴を示した。結果として、文体については 一 部不一 致なところもあったが、3 点全てにおいて、原文の翻訳が関連する差異パタ ー ンがあると言えた。以上から、仮説は成 り立っているといえる。
収録刊行物
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- 論文集 / 金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 [編]
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論文集 / 金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 [編] 13 129-142, 2018-03-22
2018-03-22
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390009224960632704
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- NII論文ID
- 120006471367
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- NII書誌ID
- AA1271664X
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- ISSN
- 21886350
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- HANDLE
- 2297/00050896
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可