グローバリゼーション下における生存基盤としての農村 : ローカルな生活者・資源・コミュニティ・制度からサステイナビリティを考える

書誌事項

タイトル別名
  • Changes and perspectives of rural areas as the base of human lives under globalization : Consideration on sustainability from the viewpoint of local people, resources, community and governance
  • グローバリゼーション カ ニ オケル セイゾン キバン ト シテ ノ ノウソン : ローカル ナ セイカツシャ ・ シゲン ・ コミュニティ ・ セイド カラ サステイナビリティ オ カンガエル

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説明

本稿では、経済のグローバリゼーションの進展のもと、大きく変容し、衰退しつつある農村地域のサステイナビリティ研究のありかたについて、筆者の日本およびバングラデシュの農村を主なベースとし、検討した。 農村地域の暮らしの原型としての、自然条件および人々の働きかけのもと培われた地域固有の資源を生かした暮らしの成り立ち、その変容と要因、グローバル化が地域社会にもたらす影響についてみてみると、農業や土地制度の“近代化”という政策的な転換に後押しされ、農業および資源利用の様式が大きく変容し、経済のグローバリゼーションのもと、消費社会化が著しく浸透した。人々は地域で培われた在地の知恵に価値を見出さなくなり、農村地域からの人口の流出、コミュニティ機能の衰退、地域資源の過剰かつ偏った利用がもたらす環境破壊問題等の負の変化をもたらした。その一方で、抑圧的な地域社会構造が緩んだために生き方の選択肢が増加する(とくに被抑圧的な社会階層で)などの正の変化ももたらしている。また、情報のグローバル化は、各地で孤立しがちな点的な存在を結びつけ、力づける役割も果たしている。 このように経済のグローバリゼーションは、プラス、マイナス双方の側面で農村地域社会および農村−都市関係に圧倒的な影響を与えているが、それに対し、地域社会はどのようにして、交渉力、自立的な対抗力(「サステイナビリティ力」)をもてるのか、農村地域で生活が成り立つとは、一体どのようなことを指すのか、そのために求められる要件について、最後に検討している。

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