乗数理論再考 : サムエルソン説の吟味

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  • ジョウスウ リロン サイコウ サムエルソン セツ ノ ギンミ

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本稿では、インフレ期における乗数理論に基づくアンチ・インフレ政策について考察する。第一に、インフレ期において、アンチ・インフレ政策としての有効需要減少政策は物価水準の下落をもたらすことを暗黙的に想定しているサムエルソン説を示す。第二に、このようなサムエルソン説が成立するためには、実質算出高一定の仮定が必要条件であるにもかかわらず、この仮定が明確でないことを指摘することで、サムエルソン説は政策論において重要なインプリケーションが欠落していることを指摘する。第三に、乗数過程が下方に作用すれば、サムエルソン説の結論に反してアンチ・インフレ政策としては有効ではなく、むしろ経済にとって有害なスタグフレーションを発生させる可能性があることを指摘する。

source:Annual reports of Josai Graduate School of Economics

identifier:JOS-09110658-2504

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