ある定時制クラスの非卒業率とその実態

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タイトル別名
  • Non-graduation rate of a part-time high school class and its actual situation
  • アル テイジセイ クラス ノ ヒソツギョウリツ ト ソノ ジッタイ

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抄録

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[要約] 本稿の目的は,定時制クラスの非卒業率を分析し中退対策に資するデータを提供することである。調査したクラスの非卒業率は50.0%であった。中学時代に長期欠席がある生徒の非卒業率が62.5%と特に多かったことから,長期欠席は重要な中退予防の観点である。卒業時の進路未定と進学浪人および中退者を合わせて67.9%が進路決定できず,ここに高校から社会への壁が存在している。中退要因の心理的・環境的不安には入学背景による違いはなかったが,思春期は精神発達病理の観点から,全生徒に対する精神衛生上の対応や高校受検に多様な選択肢と柔軟性が必要である。高校入学後の不安に関する理解と対応も基本的な事項である。中退要因に学習や成績に関するものはなかったことから,定時制は全日制と比較してクラスの人数が少ないことにより教員が個々の生徒に目が届き生徒の状況に合わせた指導が行いやすい環境にあること,1日の授業時間が4時間と少ないことが生徒の負担軽減になっている。

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