テキストにおける「のだ」の〈言い換え用法〉と〈理由用法〉 : 「は」と「が」の情報構造の焦点から

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タイトル別名
  • Analysis of "Usage as Paraphrase” and “Usage as Reason” of "Noda" in the texts: From the Focus of Information Structure of "wa" and "ga".
  • テキスト ニ オケル 「 ノ ダ 」 ノ 〈 イイカエ ヨウホウ 〉 ト 〈 リユウ ヨウホウ 〉 : 「 ワ 」 ト 「 ガ 」 ノ ジョウホウ コウゾウ ノ ショウテン カラ

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説明

庵(2018)が「のだ」の主な用法として挙げる〈言い換え用法〉と〈理由用法〉の双方の解釈が可能となった例を考察し「のだ」の用法を決定する要因が語用論的問題以外にもあることを考察した。新書の「のだ」文を情報構造の焦点別に分類したところ〈言い換え用法〉では後項焦点文の「は」の文が、〈理由用法〉では全体焦点文の「が」の文が多い傾向にあった。「S1だ。S2のだ。」を「S2ので、S1だ。」と置き換えられるものを〈理由用法〉と定義したとき、「ので」節が南(1974)のB類なら〈理由用法〉になり、C類では「ので」節と主節が異主題なら〈理由用法〉だが、「ので」節と主節が同一主題であれば〈言い換え用法〉となった。〈言い換え用法〉は言い換えの文と「のだ」文が同一主題を持ち「のだ」文の主題が非顕現となる形が典型だが、この形から外れると文頭に「つまり」など接続詞が前置した。また、本研究で〈言い換え用法〉の下位に位置づけた〈結論用法〉は、前の文を言い換えるだけでなく話題の境目のマーカーの機能も持ち、パラグラフの最後だけでなくテキスト中にも現れ、「のだ」を省略する読みが可能となっていた。この〈結論用法〉に近い機能を持つものとして、言い換えの文と「のだ」文の主題が同一であるのに双方が顕現する例を挙げ、書き手の視点から述べる後景的な文となっていることにも言及した。

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