モノスの自・他用法と他動詞用法の拡大について

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  • モノス ノ ジ ・ タ ヨウホウ ト タ ドウシ ヨウホウ ノ カクダイ ニ ツイテ

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抄録

古代日本語のモノスは、実質動詞として自動詞用法と他動詞用法をともに備えていたが、中古から中世にかけては、移動動詞と存在動詞を中心に、自動詞の代用となるモノスが多用されている。他動詞としてのモノスは、他動性が弱い他動詞の代用となっている場合がほとんどである。近世に入ると、他動性が強い他動詞用法が現れ、他動詞としてのモノスの使用が優勢となりはじめる。近現代になると、90%以上のモノスが他動詞として使われるようになった。近世以降70%以上の用例は、動作の達成・到達の結果、目に見える/手に触れる結果物が伴う、他動性が強い他動詞としての用法に偏る。一方、このような、モノスの「達成する」「結果物がある」という特性は、中古の自動詞用法においても認められ、一貫性が見える。他動詞用法の拡大は、この特性が近世以降、明確化・具体化した結果と言える。

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