女性発達障害児者を支援者はどのような対象として考えているのか――支援者に残るジェンダーバイアスとその再生産

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  • How women with developmental disabilities are seen by their supporters: Persisting gender bias and its propagation by supporters
  • ジョセイ ハッタツ ショウガイジシャ オ シエンシャ ワ ドノ ヨウ ナ タイショウ ト シテ カンガエテ イル ノ カ : シエンシャ ニ ノコル ジェンダーバイアス ト ソノ サイセイサン

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抄録

近年<女性発達障害>について注目が高まっており、支援者らが女性発達障害児者やその保護者・家族向けに書いた著作(支援者本とする)が続々と出版されている。本研究では、支援者らは<女性発達障害児者>をどのような存在として捉えているのかを明らかにすることを目的とした。支援者本をM-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー)を用いて分析した。その結果、支援者らは、女性発達障害児者は発達障害であることが気づかれにくいことで困難を抱え、二次障害を起こしやすく、思春期・結婚生活・仕事上で問題が表出する存在であると考えていることが明らかとなった。女性発達障害児者の困難さの要因にジェンダーロールの存在を挙げながらも、支援者らの中には一般的な女性像に対するジェンダーバイアスが残されていた。また、支援者本の記述は、発達障害というレッテルを受けることで女性らしくしなくてもよいとするような、免責を生むものでもあった。

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