東ポリネシア・南クック諸島マンガイア島における古植生変遷史

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タイトル別名
  • Paleovegetational history on Mangaia, south Cook Islands, eastern Polynesia
  • ヒガシポリネシア ・ ミナミクック ショトウ マンガイアトウ ニ オケル コショクセイ ヘンセンシ

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クック諸島マンガイア島のTiriara湖湖畔の湿地(21°57ʻ01“S, 157°55ʻ41“W)から得られた全長750cmのコア堆積物の花粉分析を行った。その結果、約2000年前の最下層よりシダ胞子が多く、二次植生要素のウラジロエノキ属なども出現することから、この時期にはすでに森林破壊が起こっていたことが確認できた。しかし、原生林要素のイチジク属やホルトノキ属も出現しており、原生林はかなり残っていたと思われる。1200~1500cal AD頃を示す深度400~300cmではイチジク属などの木本類花粉はほぼ出現しなくなり、代わりにヤシ科やイネ科、シダ胞子が急増している。沿岸部から内陸部に人類が移動し、さらに森林破壊を行った結果であると考えられる。この時期は考古学的には海岸から内陸に拡散した時期に相当する。この移行期に、イチジク属などの木本類花粉はほぼ出現しなくなり、代わりにヤシ科やイネ科、シダ胞子が急増している。沿岸部から内陸部に人類が移動し、さらに森林破壊が進行した結果であると考えられる。ポリネシア人が移入させたと思われるココヤシやトクサバモクマオウは、それぞれ1000cal ADと1400cal ADにマンガイア島に持ち込まれたと推測される。また、カリビアマツは1980cal AD頃から増加するが、本種はクック諸島政府により土壌侵食を防ぐ目的で1984 ADから植林されており、調和的な結果が得られた。

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