ジョージ・ミュラーの孤児院草創期(1835-1842)の苦悩と試練 : 精神的不調と財政上の危機

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タイトル別名
  • Anguish and trials of the early days of George Müller's orphanage (1835-1842) : his mental distress and the financial crisis of the orphanage
  • ジョージ ミュラー ノ コジイン ソウソウキ 1835 1842 ノ クノウ ト シレン : セイシンテキ フチョウ ト ザイセイジョウ ノ キキ
  • ジョージミュラーの孤児院草創期1835-1842の苦悩と試練 : 精神的不調と財政上の危機

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説明

本論文では,ジョージ・ミュラーの孤児院開設の草創期(1835-1842)に焦点をあて,特に開設直後のミュラーの精神的不調と孤児院の財政的危機について論じた。これまでのミュラーの伝記では,2000人規模の孤児院経営という「奇跡」的事業や諸困難を「祈りによって解決」したといったエピソードを軸に紹介されてきた。しかし本論では,それにはハイライトをかけず,これまでの伝記では触れられてこなかったミュラーの内面的葛藤と経営的問題に焦点をあてた。特に半年間にわたって精神的不調により休業せざるを得なかった経緯,そして逼迫した財政状況を分析した。神のみに頼る「実験」のため,その趣旨を理解した者以外からの献金を受けない,借金をしない,集金目当ての広告をしないといった方針により結果的に過酷なまでの財政危機となった。しかし逆説的にその危機的財政基盤ゆえに,世界のキリスト者たちが多額の献金で支えた。そしてまたミュラーは,「頭の病気」という精神・神経症状と格闘したが,逆にその「脆さ」と「弱さ」ゆえに,愚直なまでに神に頼り続けた点にこそ,「奇跡の人」「偉人」ではないミュラーを理解する本質と鍵がある。

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